参観日直前に眉毛を手入れされて。。。

眉毛を初めてお手入れしたのは、14歳の頃でした。私の中学は私立の女子高で、眉毛の手入れをすれば先生から呼び出されてしまうような学校だったので、眉毛のお手入れをしている子は中学2年当時に両手で数えられる程しかいませんでした。それでも私の中で太い眉毛はコンプレックスだったし、ばれない程度ならいいかな、という軽い気持ちでかみそりを手にしました。何を思ったか、そのかみそりを握った初お手入れの日は授業参観の前日のこと。先生たちがピリピリする、生徒にとって危険な日。それでも気になり出したらとまらない性格で、私はお風呂場でこっそり眉毛を手入れしたのでした。

お手入れ道具は、カットバサミや毛抜きなどたくさん売っていて、今でこそうまく使いこなせてキレイに手入れすることは出来るけど、なにぶん中学生の初体験です。右も左も分かったものじゃありません。私が最初にかみそりをいれた場所は、あろうことか眉頭でした。思い切り、ジョリ。ジョリジョリ。今、眉毛の手入れをしているんだ、私は大人の仲間入りだ・・・!夢中でかみそりをスライドさせました。途中でふと気づくと、顔が情けないような何か物憂げな表情に見えました。初のお手入れに意気揚々、落ち込む場面ではありません。何かがおかしい。気づいた頃にはもう手遅れです。眉頭をすっかりそり落として、眉毛の位置を間違えて入れられた、哀れな失敗雛人形のようになっていたのです。

中学生にとって、「眉毛の手入れ=不良」と思い込んでいた私は家族に叱られることを恐れ、しばらくお風呂場から出られませんでした。数十分考え、タオルを被りお風呂を出た私。追い討ちをかけるように父親からの一言。「明日の授業参観は何時からだっけ?」一年で一番先生が厳しくなる日、授業参観。お手入れをしたことが先生にばれる。同居しているイトコのお化粧道具で眉毛を書けば・・・だけどお化粧は禁止の我が校。お手入れをしたことでもう校則違反。手入れにお化粧、2つの校則を破るか、カモフラージュなしに学校へ行き即座に叱られるか。悩んだ末に出した結論は、「即座に叱られる」こと。2つの違反で罰が重くなることを恐れての判断でした。

翌日、廊下で出会った風紀委員顧問の先生が私に言いました。「眉毛、・・・書きなさい。」職員室で先生に眉毛を書かれるという貴重な体験をした上、あまりにも情けない顔の私は手入れしたことも先生にも叱られずに済んだのでした。授業参観の中、保護者の目がとても痛く感じられました。